データ回復力におけるNo.1 グローバルリーダー
Veeam’s guidance for customers affected by CrowdStrike’s content update

異機種ストレージ混在環境のバックアップをVeeamで統合。南海トラフ地震への対策と併せ確実なデータ保護と運用管理の効率化に成功。

Veeamは当社にとって素晴らしいデータマネジメントのパートナーです。バックアップ時間の大幅短縮を実現し、よりセキュアな災害対策プロセスを構築できました。ダウンタイムや万が一の災害にも対策できているという安心感と共に、三重工場のITシステムは最大限の効率で24時間365日稼働しています。
山口 裕司氏
生産システム部 三重システム課
富士電機ITセンター株式会社

ビジネス上の課題

産業・社会インフラ向けのパワーエレクトロニクス応用製品・システムやパワー半導体、発電プラント、食品流通設備など、幅広い分野でビジネスを展開する富士電機。三重県四日市市の三重工場では、国内トップシェアを誇る自動販売機からスーパー向けの冷蔵・冷凍ショーケースまで、多彩なプロダクト群が製造されている。省エネで環境に配慮した製品の製造にはスマート製造技術も活用されている。

その同工場において課題だったのが、災害対策の強化である。南海トラフ内に位置する三重工場とその周辺地帯は、巨大地震による津波と液状化現象のリスクは避けられない。同工場は、生産を止めないための事業継続対策とともに、その生産に不可欠な情報システムについても、従来のバックアップ方式(遠隔地保管含む)に加え、DR戦略の推進が不可欠だった。

富士電機ITセンター株式会社 生産システム部 三重システム課の山口 裕司氏は、次のように語る。「万が一の大震災の対応強化を考えなければいけません。常にデータを災対サイトにレプリケーションしていましたが、さらに一歩進めて、災対サイトでシステム復旧まで行えるようにしたい、また将来的なパブリッククラウドとの連携を検討する当社のロードマップに合致した近代的なデータマネジメントのソリューションが必要でした」

同工場は、オンプレミスで約140台の仮想マシンが稼働。実に約97%のサーバが仮想化されている。しかし、DBサーバやファイルサーバなど大容量で更新量の多いサーバのバックアップは、増分バックアップでも処理時間が長くなる傾向にありVMスナップショットの差分データの増加量によっては無応答状態(Stun)を引き起こすことがあり、バックアップ時間帯の制限が必要、ファイルレベルでのリストアは操作が煩雑で時間がかかるなど、いくつかの課題を抱えていた。同工場において、万が一のダウンタイム発生により製造ラインを1日停止したら、実に2億円の収益損失が発生するとも推定される。当時使用していたVMware vSphere Data Protection(VDP)のサポート終了も検討するきっかけとなった。

もう一つ、ビジネスクリティカルな本番データを、性能や用途などの要件に応じて複数のストレージシステムで稼働。基盤に依存せずに可用性を高めることが、同工場のITを長期的に考える上で重要だった。

Veeamのソリューション

選定に際しては、主要製品を候補に挙げて、綿密な比較・検討を実施。使い勝手も含めた徹底的なチェックを行った結果、「Veeam Backup & Replication Enterprise Plus」が採用される。

山口氏は、「選定理由の一つは、Veeamがシンプルで分かりやすいという点です。運用者が日々の業務の片手間に行うバックアップは、直感的に意図したように動作できることが重要です。例えば、ファイルレベルでのリストアでも、Veeamだとインターフェースから直感的な操作ですぐに戻せます」

また、各種のストレージ製品と柔軟に連携できる点も決め手となった。「Veeamのストレージインテグレーション機能を活用すれば、仮想マシン停止などのトラブルも最小化できます。主要ベンダーのストレージやHCIなど、幅広い製品に対応している点も高く評価しました」(山口氏)。

導入の効果

  • 包括的なデータマネジメントで、災害対策をコスト面・管理面で効率化
    複数ベンダーの複雑なストレージバックアップ作業をVeeamのプラットフォームで一元管理できるようになり、災害対策においては、効率的な環境の実装に繋がっている。「当工場では複数ベンダーのストレージを導入しているため、ストレージだけでレプリケーションを行おうとすると全ての装置を2セットずつ用意しなくてはなりません。そこで、VeeamのバックアップコピージョブとWANアクセラレーション機能を活用し、DRサイト側のストレージにスナップショットを転送する方式を採用しました。ストレージインテグレーション機能も自動的に働くので、データがどの装置に格納されていても一元的な運用が行えます」と山口氏。
  • バックアップ時間を約70%短縮し、IT部門の生産性が向上
    一部の大容量仮想マシンについては、従来は丸一日かけてバックアップしている状況だった。「Veeamを使うことでバックアップ時間を実に約70%も短縮できました。日々のバックアップが安心して確実に終わり、より適切なデータ保護を実現できました。また、バックアップ業務に費やしていた時間を戦略的なITのために使えるようになったことも大きな成果です」 (山口氏)
  • バックアップデータを活用して、他業務の改善に貢献
    バックアップデータの活用という副次効果にも期待を寄せる。Veeamには、「Virtual Lab」と呼ばれる機能が備わっており、本番環境に影響を与えない独立した環境でバックアップデータを活用できる。バックアップデータのリストア可否の自動検証に使われたりもするが、同工場はこれを本番環境のテスト検証業務でも活用する。「システム改修用の検証環境などを準備するには、多大な時間と工数が掛かります。その点、Virtual Labを活用し、今まさに動いていた業務環境のバックアップデータから再現して、テストや検証に利用できるので、時間と工数の削減に貢献できると確信しています」と山口氏は語る。

同工場は、将来的にはVeeamを利用したクラウドバックアップとデータマネジメントの実装も視野に入れる。「Veeamは当社にとって素晴らしいデータマネジメントのパートナーです。バックアップ時間の大幅短縮を実現し、よりセキュアな災害対策プロセスを構築できました。ダウンタイムや万が一の災害にも対策できているという安心感と共に、三重工場のITシステムは最大限の効率で24時間365日稼働しています」と、山口氏はこう締めくくった。

企業情報:


「熱く、高く、そして優しく」のコーポレートスローガンの下、エネルギー・環境事業で持続可能な社会の実現に貢献する富士電機。現在は2023年度中期経営計画「令和.Prosperity2023」に基づき、持続的成長企業としての基盤確立に向けた取り組みを展開中だ。その中核生産拠点の一つとして、自動販売機や店舗・流通設備の製造を担うのが三重工場である。同工場では高い品質を確保すべく、最新技術や豊富なノウハウをフル活用。また、グローバルなものづくりを支えるマザー工場の役割も果たしている。

課題:


南海トラフ地震といった自然災害によるビジネスへの影響を最小化するようアベイラビリティの向上を必要としていた。従来、vSphere Data Protectionを使用していたが、そのサポート終了に伴い後継製品の導入も急務に。複数のストレージが混在する大量のサーバ群の確実なバックアップや短時間でのリストア、災害対策サイトへの効率的なレプリケーション、運用管理の効率化、将来的にパブリッククラウドを交えた運用などの要件などを満たせる包括的なデータマネジメント製品が求められた。

導入成果:

  • 包括的なデータマネジメントで、災害対策をコスト面・管理面で効率化
  • バックアップ時間を約70%短縮し、IT部門の生産性向上に寄与
  • バックアップデータを活用して、他業務の改善に貢献