バックアップ用クラウドストレージの課題:セキュリティ上の懸念、想定外の請求、専門知識

クラウドにバックアップを保存する戦略は、ますます人気が高まっており、それには正当な理由があります。適切な計画には、バックアップをオフサイトで安全に保存することが含まれます。クラウドストレージのバックアップソリューションは、その目標を達成するための便利な手段です。ただし、クラウドにデータを保存する場合、クラウドの支出、セキュリティ、リソース、または専門知識の管理に関する課題が生じる可能性があります。このガイドでは、これらのクラウドストレージの課題とその軽減方法について説明します。

バックアップ用クラウドストレージの主な課題

組織が重要なデータのストレージプラットフォームとしてクラウドの利用を検討する場合、クラウドストレージにはさまざまな課題があることを認識しておく必要があります。

セキュリティとランサムウェアのリスク

79%の組織が、論理的なエアギャップ、イミュータビリティ(不変性)、暗号化などが組み込まれたクラウドストレージの安全な設計に苦労しています。この事実に加え、2025年ランサムウェアトレンドレポートによると、89%の組織がバックアップリポジトリを脅威者に狙われたことから、クラウドストレージには高い回復力が不可欠です。

セキュリティおよびランサムウェアのリスクは、社内外の要因から生じる可能性があります。つまり、1か所の脆弱性がさらに拡大しないように、アクセスを制御する必要があります。脅威アクターがアクセスしたデータは、変更、削除、流出などされる可能性があります。

クラウドストレージに関するこうした脅威を軽減するためには、書き換え不能なイミュータブルストレージ、暗号化、論理的なエアギャップが重要になります。これにより、サイバーインシデントが発生した場合でも、データは改ざんを防止し、読み取り不能で、安全で、アクセス制御された状態に保たれます。

Veeamの完全管理型セキュアクラウドストレージを利用することで、これらのリスクを軽減できます。また、ゼロトラストセキュリティ対策を導入し、バックアップソフトウェアとストレージソフトウェアを分離し、複数の回復力ゾーンを確保することも重要です。

コスト管理と隠れコスト

82%の組織が、トランザクション、データアクセス、送信といったクラウドストレージ関連のあらゆる費用を完全に把握して予測することは面倒であり、多くの場合その請求額に驚かされる結果となることに同意しています。

クラウドサービスプロバイダーは多くの場合、データ転送料金、API使用コスト、データ取得料金を伴う従量課金制を採用しています。これは、より予測しやすい傾向があるコロケーションや専用サービスの料金体系とは大きく異なります。

クラウドバックアップのベストプラクティスとして、バックアップ対象データを選定すること、適切なバックアップ方式(フル、増分、差分)を選ぶこと、そして最適なバックアップスケジュールを設定することが、これらの費用の削減に役立ちます。

ストレージのコストを予測するのは簡単かもしれませんが、追加料金の利用に応じた従量課金制はあっという間に積み上がり、多くの場合、予測不可能です。書き込みおよび読み出しAPI呼び出しは1,000トランザクションまたは10,000トランザクション単位で課金されており、バックアップ時のブロックサイズに左右されます。ブロックサイズが小さいほど圧縮率が高くなりますが、API呼び出しの数は大幅に増えます。イミュータビリティを更新するにはAPIトランザクションも必要で、テストやリストアが行われるたびに、データ取得に対する料金がGB単位で課金されます。さらに、データがクラウドプロバイダーのネットワークからオンプレミスや別のクラウド環境に転送されるたびに、エグレス料金が発生します。

クラウドコストの管理だけでも専門知識を持つ人材が必要になる場合があり、これもクラウドコストの一部として考慮する必要があります。

専門知識とリソース

78%の組織は、クラウド環境を適切に設計、導入、管理、維持するために必要なスキルや人材が不足しています。クラウドストレージは最適なパフォーマンスを発揮するために管理が不可欠です。そうでなければ、追加のリスクが増大するだけです。

追加の専門知識が必要となる課題を解決する方法の一つは、のようなフルマネージドのクラウドバックアップソリューションを活用することです。このソリューションが既存のバックアップソフトウェアと統合されていれば理想的で、オンボーディングやトレーニングが大幅に容易になります。貴社では業務で使い慣れたUIを引き続き使用しつつ、サポートケースも容易に解決できるようになります。

データの復元とパフォーマンスの課題

インターネット接続速度、オフィスの所在地、扱うデータ量によっては、クラウドバックアップソリューションにパフォーマンス上の課題が見られる場合があります。

バックアップレイテンシや復元速度の問題は、真剣に受け止める必要があります。ディザスタリカバリ(DR)計画がバックアップから数分でデータをリストアすることを前提としている場合、遅いダウンロードを待つという選択肢はありません。

バックアップパフォーマンスは、本番環境の中断を回避でき、目標の時間内に作業を十分に完了できる程の効率性を備えている必要があります。一方でリストアパフォーマンスは、迅速なデータ復元を実現して、ダウンタイムを最小限に抑えるうえで十分な性能である必要があります。クラウドストレージソリューションは、これらの時間的制約のある要件を満たすために必要なスループットと即時アクセス性を提供できるものである必要があります。

コンプライアンスとデータの主権性の問題

会社が事業を展開している管轄区域やサービスを提供する業界によっては、欧州のGDPR、カリフォルニア州のCCPA、または同様のデータ保護法およびプライバシー法の遵守を求められる場合があります。また、HIPAAやその他の業界規制が適用される場合もあります。

したがって、データレジデンシー要件やクラウドストレージプロバイダーが遵守しているポリシーと手順を十分に把握していることを確認する必要があります。これらの規制に従わないと、ビジネスに多額の罰金が科せられ、評判が損なわれる可能性があります。

主要なクラウドサービスプロバイダーは、データセキュリティやプライバシー、業界規制を念頭に置いて設計された安全な製品を提供しています。に準拠したクラウド製品や監視ソリューションによって、ビジネスのバックアップ手順が完全に準拠しているという安心感が得られます。

クラウドストレージの課題を克服する方法

バックアップの3-2-1ルールは、データを少なくとも3つのコピーとして、2種類以上の異なるメディアに保存することです。これらのバックアップのうち、少なくとも1つはオフサイトに保管し、少なくとも1つは改ざんを防ぐためにオフラインにしておく必要があります。バックアップは、エラーがゼロであることを保証するために検証する必要もあります。貴社のクラウドストレージではこのルールの遵守がサポートされますが、前述のすべての要因に確実に対処するためには追加の要素が必要です。

セキュアなクラウドストレージソリューションの管理負担が社内のITチームにとって大きすぎる場合は、フルマネージド型のビジネスバックアップソリューションの導入を検討しましょう。

Veeam Vault(ヴィーム・ヴォルト)は、完全管理型で事前にセキュア化されたクラウドストレージリソースを提供します。厳格なゼロトラストの原則に基づいて設計されたVeeam Vaultは、貴社の最も重要な資産を、あらゆる脅威から常に保護します。

さらに、予測不可能なクラウドのコストモデルに関わる問題が解消されて、予算編成とコスト予測が容易になります。必要な容量を指定するだけで、後はすべての管理を任せることができます。

クラウドストレージの次のステップ

クラウドは大量のデータをオフサイトで保管する便利な方法を提供しますが、さまざまな課題も伴います。クラウドにデータを保存する際には、セキュリティ、プライバシー、コンプライアンスに関する課題や、コスト管理に関する課題に対応する必要があります。

Veeam(ヴィーム)は、Veeam Data Platform(ヴィーム・データ・プラットフォーム)やVeeam Kasten(ヴィーム・カステン)とVeeam Vault(ヴィーム・ボールト)を組み合わせて、企業のクラウドバックアップおよびストレージのニーズに応えるためのツールやソリューションを提供しています。今すぐお問い合わせいただき、無料相談をご予約ください。または、のホワイトペーパーをダウンロードして、Veeamが貴社のビジネス継続性をどのように支援できるかをご確認ください。

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