Oracleデータベースのバックアップや復元の方法 — Veeamのベスト・プラクティス

IT組織やIT部門には、ビジネスを止めないためにアプリケーションの継続運用という大きなプレッシャーがかかっています。障害が発生した場合は、ミッション・クリティカルなアプリケーションをできる限り早く起動し、再稼働させる必要があり、課題はきわめて明確です。

企業は、高い仮想化率、最新のストレージへの投資、そしてプライベート、パブリック、およびハイブリッド・クラウド環境でアプリケーションを運用することにより、これらの可用性要件に対処できます。常にアクセス可能で効率的なサービスや運用を保証し、これらを組み合わせた技術から多くの利点を享受するには、ITインフラストラクチャ全体を標準化し、正しく管理する必要があります。

通常、エンタープライズレベルの企業は、Tier 1アプリケーションにOracleプラットフォームを使用しています。オラクルのライセンス・ポリシーにもかかわらず、このプラットフォームはVMwareおよびHyper-V環境で運用される頻度が増しています。

VeeamとOracleの統合

Veeamは、仮想化Oracleプラットフォームへの追加機能として使用できます。エラーや障害が発生した場合に、Oracleデータベースをできる限り早く復元することができます。

Veeam Backup & Replicationは、単独のOracleバックアップ・ソリューションとして、またはRMANや他のバックアップ・ソフトウェアを用いた既存のバックアップ・プロセスへの拡張部分として使用できます。Veeam Backup & Replicationは、インスタントVMリカバリやVeeam Explorer for Storage Snapshotsによるスナップショットからの復元など複数の迅速な復元機能をOracleプラットフォームに提供します。

システム要件では、Veeamを使用してOracleの可用性を有効にするには、WindowsベースまたはLinuxベースのVM上で稼働するVeeam Backup & Replication v9およびOracle Version 11/12が必要です。

VeeamとOracleの統合の包括的な例や、Oracleのバックアップおよび復元のベスト・プラクティスについて、この新しいホワイト・ペーパーで説明します。Veeam Availability Suite and SAP on Oracle Deployment Guide.

Oracleバックアップのベスト・プラクティス

Veeamは、ブロック単位のイメージ・バックアップを作成し、VM全体をその内容に関係なくコピーとして保護します。バックアップの効率とスピードは、CBT(変更ブロック追跡)技術をVMwareとHyper-Vの両方の環境で使用することで改善します。CBTを使用すると、Veeamは変更されたデータ・ブロックをすべてのバックアップ・ジョブで取得できます。処理されるのは変更されたデータのみですが、バックアップ・ジョブは、データベース自体の一貫性のあるフル・バックアップとなります。それは、リストア・ポイントにはフルVMの復元が可能なイメージが含まれ、それにデータベース自体が含まれるためです。

Oracleサーバーをバックアップするには、以下のようにVeeam Backup & Replicationで新しいバックアップ・ジョブを作成します。

必要なVMを追加します。

バックアップ・リポジトリを指定します。

バックアップ・プロセス中、Veeam Backup & Replicationはネットワーク経由またはVMware VIXチャネル経由でVMに接続し(WindowsベースのVMのみ)、VMの内容を調査します。Oracleのようなアプリケーションが検出された場合、Veeamはアプリケーションとデータベースの整合性をバックアップで維持するため、特別なメカニズムであるアプリケーション認識のイメージ処理を開始します。

Oracleの場合、Veeam Backup & Replicationは、データベースが存在する環境変数を自動的に調査し、それらをバックアップ・モードへシフトします。その他にVeeamが実行する主なコマンドは、「ALTER DATABASE BEGIN BACKUP」です。バックアップ・ジョブは、VMスナップショットを取得するために数秒間維持され、のちに(数秒後に)DB上でバックアップ・モードを開放します。スナップショットは、実際のバックアップを作成するために使用されます。

さらに、上記の手順の延長として、ストレージ・スナップショットの場合は、VMwareの負荷の軽減、VMwareのスナップショット処理の最適化、復元の高速化に使用できるため、より頻繁にバックアップを作成できるようになります。オプションとして、クラッシュ・コンシステント(整合性)のストレージ・スナップショットを短い実行間隔で作成できます。クラッシュ・コンシステントの処理により、VMデータはあらゆるハード・ディスクから同じ時点で保護され、復元中にOracleと互換性が維持されます。

イメージレベルのバックアップとともに、Oracle Archive Logバックアップを必要な頻度で実行し、障害時のデータ損失を最小限に抑え、任意の時点への復元または任意のトランザクションの復元が可能になります。

復元後のデータベースの整合性をチェックするために、Oracleベスト・プラクティスのバックアップおよび復元のガイドラインに従い、Veeamが使用するさまざまなOracleコマンドやRMANスクリプトがほかにもあります。コマンドの完全なリストは、ホワイト・ペーパー「Veeam Availability Suite and SAP on Oracle Deployment Guide」の付録に記載されています。

バックアップ戦略では、1日1回イメージレベルのバックアップを実行し、ストレージ・システムの負荷に応じて10分おきにクラッシュ・コンシステントのスナップショットからバックアップを作成することが一般的です。加えて、RMANを使用したOracle Archive LogバックアップやVeeam Backup & Replicationを5~60分おきに実行することが推奨されています。

Oracleバックアップ・ジョブの設定を完了したら、[Finish(終了)]をクリックしてバックアップを開始します。

Oracle復元のベスト・プラクティス

Veeam Backup & Replicationでは、Oracleデータベースを復元するオプションを選択できます。イメージレベルのバックアップまたはストレージ・スナップショットからの復元が可能です。また、インスタントVMリカバリは、サーバー全体をわずか2分(+ 起動時間)で起動、またはきめ細かくファイルを復旧するために使用されます。

さらに、 Veeam Explorer for Oracle リストア・ウィザードを使用すると、Archive Logsバックアップと組み合わせて、イメージレベルのバックアップから任意の時点または任意のトランザクションへデータベースを復旧できます。これは、状況に応じて柔軟に決定できます。

何よりも、ストレージ・スナップショットからインスタントVMリカバリやVeeam Explorerを使用すると、システム障害時に迅速にアプリケーションを復元できます。

従来のフルVMリストアも、高速ロールバックと呼ばれる機能を用いて実行できます。この方法は非常に高速ですが、前回のバックアップまでに変更されたブロックしか復元できません。

さらに手作業の多い方法して、インスタントVMリカバリ技術を使用し、VMディスクをバックアップのデータベースとともに元のVMへマウントするというものがあります。データベース管理者は、データベースを直接使用し、Storage vMotionによってデータを転送できます。ベスト・プラクティスは、制御ファイルのコピーを同じディスク上に置くことです。

VeeamのSureBackup技術およびオンデマンド・サンドボックスは、高速ロールバックとは一線を画しています。SureBackupを使用すると、サンドボックス環境でのアプリケーション稼動テストを含む、完全な復元可能性をもってOracleサーバーを実行できます。この仮想ラボでは、独自のテスト・スクリプトをアプリケーションに対して実行することもできます。

オンデマンド・サンドボックスによって作成されたテスト環境は、アプリケーションやOracleサーバーのアップグレードのテストにも使用できます。

VeeamによるOracleデータベースのバックアップや復元に関するこれらのベスト・プラクティスは、実際のVeeam Backup & Replication v9またはVeeam Availability Suite v9向けに書かれたものです。この記事中で参照している機能セットは「Enterprise Edition」です。Veeamは、WindowsおよびLinux上のOracle Version 11および12をサポートしています。

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