機密データは今やあらゆる場所に存在しており、ほとんどのチームはその全体を把握することができません。機密データはクラウドプラットフォーム、SaaSアプリ、コラボレーションツール、データレイク、データウェアハウス、AIパイプラインなどに分散しており、その保護には単独の対策だけでは不十分です。可視性、コンテキスト、そして早期に行動する能力が必要です。
DSPMによって、組織は最新のデータ保護における次のような重要な問いに回答できるようになります。「私たちはどのような機密データを保有しているのか?」「それはどこに存在しているのか?」「誰がアクセスできるのか?」「どのように使用されるのか?」「露出過多、重複、または設定ミスはないか?」
簡単に言えば、DSPMは周囲のシステムだけでなく、データ自体のセキュリティ態勢を理解するのに役立ちます。この違いは重要です。なぜなら、データは従来のコントロールポイントに到達する前からリスクにさらされていることが多く、過剰な権限が付与されたクラウドストア、設定が誤っているSaaSアプリ、適切な管理が欠如しているAIパイプラインなどに存在している場合があるからです。
データはこれまで以上に多くの環境に分散しており、可視性が制限されるため、一貫性のある保護が難しくなっています。ここからコンプライアンスのギャップと侵害が始まります。AIエージェントはリスクをさらに高めます。DSPMが重要なのは、次の4つの領域にわたって可視性を復元するためです。
最新のDSPMプラットフォームでは、データ資産全体で連携する複数の機能を組み合わせています。
| 機能 | 概要 |
|---|---|
| 発見と分類 | クラウド、SaaS、オンプレミス環境全体で機密データを特定し、機密性とコンテキストに基づいてラベル付け |
| コンテキストデータ+AIインテリジェンス | シグナルを関連付けることで、データがどこに存在し、誰が使用しているか、そしてAIに供給されているかを把握 |
| リスクの有害な組み合わせ | シグナルを関連付けて、最もリスクの高い曝露を優先的に可視化 |
| セキュリティ態勢管理 | 設定を継続的にスキャンし、重大度で分類し、インシデント発生前に強化 |
| アクセスインテリジェンス&制御 | 誰がデータにアクセスできるかを把握し、最小権限の原則を徹底 |
| データフロー管理 | データがどのように移動し、変換し、境界を越えるかをトレース |
| ROT最小化 | 冗長なデータ、古いデータ、些細なデータを削減して、攻撃対象領域を縮小 |
| AIのセキュリティと管理 | AI資産を発見し、機密データがモデルやエージェントと連携する方法を管理 |
| コンプライアンスの自動化 | 追跡、統制テスト、証拠収集を一元化 |
| 自動修復 | アクセスの問題を修正し、ワークフローをルーティング(ServiceNowやJiraなど) |
発見と分類は基盤です。ダウンストリームのコントロールは、構造化データと非構造化データの両方において、その分類の精度次第で効果が決まります。そこから、DSPMはコンテキスト(データの所在、利用者、移動方法、AIへの供給の有無)を付加し、シグナルを相関させて、有害な組み合わせにフラグを付けます。例えば規制対象データが誤設定されたストレージに存在する、管理なしでAIに流入する機密データといったものです。
残りの機能は、その洞察を実際の対応に繋げます。
AIのリスクとデータのリスクは切り離せないため、AIのセキュリティとガバナンスは最重要課題の一つとなっています。AIのリスクによってデータのリスクも高まります。
DSPMはスタックの残りの部分を置き換えません。DSPMにより、これらのツールはデータ全体をより包括的に理解したうえで動作するようになります。
| ツール | 動作 | DSPMによるメリット |
|---|---|---|
| IAM | 誰が何にアクセスできるかを管理 | エンタイトルメントに紐づく機密データとアクセスリスクのコンテキスト |
| DLP | エンドポイント、メール、Webでの情報漏洩を防止 | より高品質な分類とデータのコンテキスト情報 |
| SIEM | 脅威の検知と対応を一元化 | 優先順位付けを明確にする機密データのコンテキスト情報 |
| CASB | クラウドアプリの使用に関する可視性とポリシー制御 | データの機密性、露出、管理の状態 |
| IDPS | 悪意ある活動の検知 | 誤検出を軽減するデータ認識型コンテキスト情報 |
この3つはいずれもリスクを低減しますが、それぞれ異なる領域に焦点を当てています。CSPMはクラウドインフラストラクチャ、DLPは移動中のデータ、DSPMはデータ自体に焦点を当てています。
| 側面 | DSPM | CSPM | DLP |
|---|---|---|---|
| 主な焦点 | データ自体:機微性、アクセス、露出 | クラウドインフラストラクチャの設定 | 移動中のデータ |
| 核心的な質問 | 機密データはどこにあるのか、誰がアクセスできるのか、露出しているのか? | クラウドは安全に設定されているか? | データは監視中のチャネルを経由して流出しているか? |
| 範囲 | クラウド、SaaS、オンプレミスにわたる保存中および使用中のデータ | VM、ストレージ、コンテナ、クラウドリソース | エンドポイント、メール、Webトラフィック |
要点:組織では、この3つすべてが連携して機能することが求められます。インフラストラクチャのセキュリティや情報漏洩対策も依然として重要ですが、クラウドやAIの時代の信頼は、最終的にデータ自体を理解することに依存しています。
ほとんどのツールは、リスクを検出してフラグ付けするところで止まります。Veeamは、Securiti AIの買収(2025年12月完了)を基に構築されたVeeam DataAI Command Platformにおいて、DSPMとデータの回復力を統合しました。つまり、本番データとバックアップデータの双方にわたり、機密データの検出・分類、アクセスやAIへの提供の管理、そして予防が不十分な場合でも安全な復元を実現できるということです。リスクを認識するだけでなく、実際に対応できるかどうかの違いです。