2023年11月29日 - データ保護とランサムウェアリカバリソリューションのリーダー企業であるVeeam® Software（以下、Veeam）は、日産自動車のグループ会社で自動車用の電動パワートレイン/変速機（トランスミッション）の設計や生産を手がけるジヤトコ株式会社（本社：静岡県富士市、社長：佐藤朋由、以下、ジヤトコ）の、設計・テスト・販売・財務など全社を統合するバックアップシステムの再構築に「Veeam Data Platform」のFoundation Editionが採用されたことを発表します。
これにより従来のシステムと比較して、バックアップに関連する総所有コスト（TCO）を約40%削減できる見込みです。また1年半の運用期間中に6,000ジョブ／12,000回以上のバックアップ処理をエラーなく完了する安定性やリストア運用負荷の軽減を実現しました。
＜導入の背景／課題＞
自動車の主要部品を手掛けるサプライヤーであるジヤトコにとって、設計、テスト、調達、生産、販売、財務などの一連のデータは重要な資産であり、事業継続、法令や規格への遵守、品質管理や製品トレーサビリティなどを目的にデータの保全に注力しています。また自動車用変速機の専門メーカーとして50年以上の歴史を持つジヤトコでは、自動車業界が急速な電動化に進む中、従来のやり方から脱却し市場競争力を高めるためにデジタルを活用した変革を推進しています。
上記を背景に、これまでのバックアップは（専用機器が必要な）アプライアンス型のソリューションを活用してきましたが、データ量の増加に応じてアプライアンス単位での増設（買い増し）が必要なため、運用するシステムやサービスの規模のサイジングの自由度が低く、投資計画に影響を与えることが課題となっていました。今回、数年ごとに更新が必要なアプライアンス・ハードウェアのサポートが終了することを機に、バックアップシステムを刷新するプロジェクトを2021年7月にスタートしました。
＜導入の効果＞
ジヤトコでバックアップ対象となるデータ容量は、検討時点（2021年7月）で40TB、5年後想定が60TBでした。Veeamの採用にあたっては、データ容量の増加にスケーラブルかつ柔軟に対応できることや、物理サーバー・仮想サーバーなど既に運用中の多様なIT環境に対応できること、バックアップ先をクラウドにも保存できる点が高く評価を受けました。
主な導入効果
バックアップは、仮想サーバーを含むITシステム全体のサーバー約500台のうち、約200台に対して運用。バックアップ処理は日次で行い、1年半ほどの運用期間中に6,000ジョブ／12,000回以上をエラーなく終了。
優れた操作性に加え、ファイル単位でのリストアや対象データをまるごと取得するフルリストアなど状況に合わせたリストア方法を容易に選択できるため、バックアップデータ量の削減および運用負荷が軽減。社内関連部門からの様々なデータ復旧ニーズに速やかに対応することが可能に。
＜今後の展望＞
データの保存先にはNetApp製のオンプレミス・ストレージを使用しているが、将来はクラウドのMicrosoft Azure Storageへの保存も計画中です。
また、ジヤトコではEV用製品の戦略強化を含む事業拡大や変革を支えるべく、攻めのITを社内に提供していく予定です。今後は、Veeamのサイバーセキュリティ・ソリューションの活用も視野にいれながら、さらなるデータ保全と保護に取り組むことを目指しています。
コメント
ジヤトコ株式会社 デジタルソリューション部 部長 土屋 敦氏は、次のように述べています。
「Veeamの採用にあたり、物理サーバーと仮想サーバーの両方に対応していること、汎用ストレージで構築できること、クラウドにもデータを保存できること、操作性が優れていること、永久増分バックアップによりデータ量を削減できることなどを評価し選定しました。また自動車業界は急速な電動化など100年に一度の変革期を迎えています。今後は、モーターやインバーター、EV用製品の戦略強化に向けて、デジタル活用を含むさらなる変革を推進していきます」
ヴィーム・ソフトウェア株式会社 執行役員社長 古舘正清は、次のように述べています。
「日本の自動車産業を支えるジヤトコのバックアップシステムに、Veeam Data Platformを採用いただき、大変嬉しく思います。近年は、製造業を含むサプライチェーンを担う企業を標的にしたサイバー攻撃も依然として目立っています。Veeamは今後も、世界最高水準のバックアップおよびランサムウェアリカバリソリューションで、お客様のデータを保護し、事業継続を支える一助となれるよう引き続き支援してまいります」
ジヤトコ株式会社について
1999年設立。1970年に日産自動車・マツダ・米国フォードとの合弁で設立された日本自動変速機株式会社が前身。日産自動車の変速機部門などをルーツに持つ自動車部品のサプライヤーで、自動変速機（AT）、無段変速機（CVT）の設計と生産を手掛ける。なかでもCVTは世界トップシェアを誇る。近年は、モーターやインバーター、減速機を一体化したe-Axleなど電気自動車（EV）用部品事業の強化にも注力。素材の仕入れから加工、組立など一連の工程を1本のラインで行いムダを排除するJEPS（JATCO Excellent Production System）と呼ぶ独自の生産方式を持つ。
Veeam Softwareについて
Veeam®は、データ保護とランサムウェアリカバリの世界No.1マーケットリーダーとして、すべての組織のデータ障害や損失の回復を行うだけでなく、ビジネスが前進できるよう支援することをミッションとしています。Veeamを使用することで、組織はハイブリッドクラウドのデータセキュリティ、データ復旧、データの自由を通じて、企業や組織の基盤となるレジリエンスを実現します。Veeam Data Platformは、クラウド、仮想、物理、SaaSおよびKubernetes環境向けの単一ソリューションで、アプリやデータを常に保護・利用可能にすることで、企業の事業継続を支援しています。Veeamは、米国オハイオ州コロンバスに本社を置き、30か国以上で事業所を展開しています。グローバル 2,000の73%を含む45万社以上のお客様の事業継続を支援しています。基盤となるレジリエンスはVeeamから始まります。