企業のデジタル化が加速する中、SaaS(Software as a Service)環境におけるセキュリティリスクは、今や見過ごせない重要な課題となっています。特にIDプロバイダーやシングルサインオンの仕組みを悪用した攻撃が増加しており、Microsoft 365やSalesforceなどの主要なクラウドサービスが標的となっています。本記事では、最新の脅威動向とその対策を、Veeamによるソリューションを中心に解説します。
SaaSを取り巻く最新の脅威動向
近年、攻撃者はIDや運用プロセス、設定ミスなどの組織内の脆弱な部分を巧妙に狙っています。IDへの攻撃は1日あたり6億件以上発生しているとも言われ、もしID部分が攻撃を受けると、組織全体へ被害が拡大するリスクがあります。
実際、6000億件もの認証情報が流出した事例もあり、サイバー攻撃者にとっては格好の標的となっています。こうした情報があれば、攻撃者は容易にシステムやプラットフォームへ侵入し、データ漏洩やランサムウェア被害に発展する可能性も否定できません。
クラウド時代に求められる新しいデータ保護
多くの企業は、AzureやエントラIDを中心としたデジタル環境を構築し、Microsoft 365やSalesforceなどのワークロードにアクセスしています。しかし、IDとアクセス管理の重要性が高まる一方で、すべての接点が攻撃の入り口となるため、包括的なセキュリティ対策が求められています。
クラウドサービスでは、責任共有モデルにより、データやIDアクセスの保護は利用者自身の責任となるため、多層的なデータ保護戦略が欠かせません。
Veeam Data Cloudによる包括的なデータ保護
Veeam Data Cloudは、統合型のクラウドSaaSプラットフォームとして、あらゆる規模の組織に対してバックアップ・リカバリー・データポータビリティ・AI活用・サイバーレジリエンスといった機能をワンストップで提供します。
データバックアップ
- ポリシー自動化により、常に一貫性のあるバックアップ体制を維持
- 無制限のクラウドストレージを標準搭載し、あらゆるデータを安全に保管
- 包括的なモニタリング・レポート機能でコンプライアンス対応も容易
データリカバリー
- 従来比5倍の高速リカバリーで、事業への影響を最小化
- 一括またはきめ細かなリストアオプションを選択可能
- 高速検索機能で必要なデータの即時復元が可能
データポータビリティ
- クラウド間リストアやVeeam Vaultによるマルチクラウドバックアップ
- Azureダイレクトリストアでオンプレミスからクラウドへの柔軟なデータ移行
- バックアップデータのAI活用や開発・テスト・トレーニングへの利活用
サイバーレジリエンス
- エアギャップやイミュータブルストレージでデータの完全性を確保
- 転送中・保管中すべてのデータを暗号化し、ランサムウェアなどの脅威に強い
- 論理的エアギャップにより、万が一の侵害時にも安全なデータ保護
データインテリジェンス(AI活用)
- AIによるデータ分類やバックアップ・リストア・セキュリティの最適化
- 業務効率化とヒューマンエラー防止を同時に実現
- 限られたリソースで最大のパフォーマンスを発揮
実際の管理画面と運用例
Veeam Data CloudのUIでは、Microsoft 365やAzure、エントラID、Salesforceのバックアップ・リストア状況を一元管理できます。ユーザーやグループ、権限ごとの詳細なバックアップ対象や、比較リストア機能で変更点のみを復元するなど、運用の柔軟性も特長です。
また、監査ログやサインインログのバックアップ・エクスポートも可能で、コンプライアンス強化や不正アクセス対策にも有効です。
まとめ
SaaS環境におけるセキュリティリスクは日々変化し、巧妙化しています。Veeamのような統合型データ保護ソリューションを導入することで、バックアップ・リカバリー・サイバーレジリエンス・AI活用といった複数の観点から、組織の安全性と業務継続性を高めることが可能です。
SaaSサービス利用中の企業は、今こそ多層防御とクラウド時代のデータ保護戦略を再考し、Veeamの活用をぜひ検討してください。