SOMPOホールディングスの中枢を担う損害保険会社として、火災保険や自動車保険など幅広い領域にわたる保険サービスを展開する損害保険ジャパン(以下、損保ジャパン)。グループのブランドスローガンである「安心・安全・健康のテーマパーク」の下、グローバルなデジタル変革戦略を採用しながら、新たな価値創造に向けた取り組みを全方位で展開している。
その同社の事業活動をIT面から支えているのが、グループ唯一の戦略的IT企業であるSOMPOシステムズだ。
同社 執行役員 ITサービス本部長 田中 久子氏は「当社は、損害保険業務に関する高い知識と技術力をいかし、損保ジャパン社のビジネスを強力に支援する役割を担っています。私達ITサービス本部は、基盤領域の担当ですが、アプリケーション部門と一体になり、常にビジネスを意識した活動を行っています」と語る。
また、同社 ITサービス本部 サーバー運用基盤サービスグループ グループ統括部長 進藤 誠氏も「市場環境やお客様ニーズの変化に即応していく上では、先進デジタル技術の利活用が必要です。当社も持ち前の技術力を発揮し、損保ジャパンやお客さまに貢献していきたいと考えています」と続ける。
今回、同社では、損保ジャパン向け保険契約関連システムのパブリッククラウド移行に着手した。進藤氏はこのシステムの概要を「保険商品の契約から保険料の収納、事故等の受付、保険金の支払いに至るまで、あらゆる業務で本システムが利用されます。万一トラブルに見舞われると、事故や災害に遭われた契約者様への保険金支払いなどに影響を及ぼす可能性がありますので、そのシステム/データを保護することは非常に重要と言えます」と説明する。
元々このシステムは、プライベートクラウド上で構築・運用されていた。しかし、維持運用に掛かるコスト負担が重いことから、将来的な発展性も見据えた上でMicrosoft Azureへの移行を決断。ただし、ここで課題となったのが、システムバックアップをどうするかという点だ。旧バックアップシステムは継続利用できないため、Azureを前提とした新たなシステムを構築する必要に迫られたのである。
同社では、Azure環境下での最適なシステムバックアップを実現すべく綿密な検討を実施。その結果、導入されたのが、Veeam Backup for Microsoft Azure(以下Veeam)である。VeeamはAzure Blobの各階層にバックアップを自動で階層化し、投資対効果の高い長期の保持を実現する。
進藤氏はVeeamを選んだ理由を「特に大きかったのがコスト削減効果です。今回はAzure Backupとの比較を行ったところ、Veeamのデータ圧縮率が高いのでディスク使用料を抑えることができ、ソフトウェアライセンスに掛かるコストを含めても優位性がありました」と語る。
なお、実際のVeeam導入は、これまでも損保ジャパンのシステム構築に数多く参画している日立製作所が担当している。
このように多くの成果を上げた今回の取り組みだが、同社では今後も引き続きVeeamの活用を進めていく構えだ。「今後ますますデータ量は増加し、データ活用の重要度が増していきます。一方でサイバー攻撃などのリスクは増加し、ランサムウェア対策なども不可欠となりますので、データマネジメントの高度化がインフラの鍵になると考えています」と展望を語る田中氏。
また、同社 ITサービス本部 サーバー運用基盤サービスグループ グループ統括部長 進藤 誠氏も「市場環境やお客様ニーズの変化に即応していく上では、先進デジタル技術の利活用が必要です。当社も持ち前の技術力を発揮し、損保ジャパンやお客さまに貢献していきたいと考えています」と続ける。