私たちは、SOZAIへの情熱と、自ら変革する行動力をもって豊かなライフスタイルの創造に貢献します」の企業理念の下、中食業界のリーディング・カンパニーとして日本の食文化への貢献を目指すロック・フィールド。現在は、サラダを中心に健康、安心・安全、鮮度にこだわったそうざいを提供する「RF1」をはじめとして、それぞれにユニークな特色を備えたブランドの店舗を全国で展開している。
創業以来着実な成長を遂げてきた同社だが、半世紀に及ぶ歴史の中では、様々な困難に直面することもあった。特に1995年の阪神・淡路大震災では、ライフラインの損傷により本社工場の生産業務がストップするなど、深刻な被害に見舞われた。「マシンルームでもオフコンが倒れているような状況でしたので、大変な苦労をして復旧に努めました」と振り返るのは、ロック・フィールド 経営企画本部 デジタル活用推進部 ITシステムグループ グループ長 太田 喜章氏。こうした経験を踏まえ、重要業務システム/データの保護についても、一層力を入れて取り組むようになったという。
その一環として2014年に構築されたのが、専用アプライアンス装置を用いたDR(災害対策)システムだ。ここでは自社内の別拠点に装置を設置し、事業継続に不可欠な基幹業務システムとデータを日次で遠隔転送。これにより、万一の大規模自然災害などにも確実に対応できる環境を整えてきた。
しかし近年では、このDRシステムについても課題が生じていたとのこと。太田氏は「Windowsサーバーのバージョンアップに伴い、バックアップ対象のデータが年々増大。アプライアンス装置のバージョンアップも必要であるため、ディスク容量が次第に枯渇してきました。その結果、従来は三世代分取得していたバックアップも、一世代分に縮小せざるを得ませんでした。また、DR発動時には各種の業務システムをアプライアンス上で稼働させることになるため、性能面で本当に大丈夫かという点も懸念されました」と説明する。
こうした課題を解消するきっかけとなったのが、「Veeam Backup & Replication (以下Veeam)」との出会いである。太田氏は「今後のクラウド活用を見据えて、Amazon Web Services(以下AWS)の調査を進めていたところ、Veeam×AWSによるクラウドバックアップが可能であることを知りました。これなら従来の専用アプライアンスと同様の運用が行える上に、ディスク容量不足を心配する必要もなくなります」と語る。
また、物理・仮想の両環境に対応できる上に、バックアップ/リストアの検証が行える点や、ライセンス形態がわかりやすい点も高く評価したとのこと。今回の導入を担当した富士ソフトによる事前検証でもその有効性が実証されたことから、同社ではVeeam×AWSによるクラウドバックアップに舵を切ることとなった。
初導入となったVeeamに対し「操作感も分かりやすく、大変使い勝手の良いバックアップツールだと考えています。DRも含めて、様々なニーズに対応できるのは便利ですね」と高く評価する太田氏。同社では、今後オンプレミスで稼働中の業務システムについても、クラウド移行を検討していくとのこと。新DRシステムが活用される場面も、ますます拡がっていきそうだ。