企業のデータレジリエンスは、サイバー攻撃や障害発生時の事業継続に不可欠な要素です。近年、多くの組織がランサムウェアなどの脅威にさらされており、特にバックアップリポジトリが攻撃の標的となる事例が増えています。Veeamは、こうした脅威から企業データを守るため、セキュリティ統合ソリューションを提供しています。本記事では、その概要と最新事例を分かりやすく解説します。
データレジリエンスのためのVeeam戦略
Veeamの調査レポート「Risk to Resilience Report 2025」では、世界の1300社のうち89%がバックアップリポジトリを攻撃対象にされた経験があると回答しています。また、69%がランサムウェア被害、52%がIT運用チームとセキュリティチームの連携不足を課題と認識しています。
このような現状から、IT運用とセキュリティの連携やアラート管理の自動化が重要であることが分かります。
バックアップの堅牢性とセキュアリストア
イミュータブル(変更不可)バックアップや3-2-1-1-0ルールの実践は、Veeamのデータ保護戦略の中心です。
- 3-2-1-1-0ルール:3つのコピーを2種類のメディアで保存し、1つはオフサイト、1つはイミュータブル、エラー0を目指す
- Secure RestoreやThreat Centerによるバックアップスキャンも、復元前にマルウェア混入を検知し、ゼロトラストなリカバリーを実現します。
AI・インテリジェンスの活用
今やAIはセキュリティ運用に欠かせませんが、AI活用には明確な指示や文脈が必要です。Veeamインテリジェンスは、「自分のバックアップ状況」や「セキュリティ状態」などを簡単に問い合わせでき、運用負荷を大幅に軽減します。
SIEM/SOAR連携と主要ベンダー事例
SIEM(Security Information and Event Management)やSOAR(Security Orchestration, Automation and Response)との連携もVeeamの大きな強みです。
- Splunk:Veeam App for Splunkでリアルタイム脅威検知やレポート、アクション自動化を実現
- Palo Alto Networks:Cortex XSIAM/XSOAR用Veeamアプリでプレイブック自動実行やダッシュボード連携
- CrowdStrike:Falcon LogScaleやNextGen SIEMとの連携で、リアルタイム分析とアラート管理
- Sophos:Managed Detection and Responseサービスで、Veeamデータを活用した24/7マネージドセキュリティ
これらの連携により、脅威検知から自動復旧まで一気通貫での対応が可能です。
REST APIによる自動化とオーケストレーション
Veeam Data PlatformのREST APIを使えば、バックアップのリストアやスキャンなどのワークフローを自動化できます。
また、Veeam Recovery Orchestratorでは、ジョブ単位での環境復旧やプレイブックによる自動復旧もサポートされています。
コミュニティとベストプラクティス
VeeamコミュニティやR&Dフォーラムには、セキュリティスクリプトや事例が多数共有されており、実務担当者のナレッジ強化にも役立ちます。
まとめ
Veeamのセキュリティ統合は、単なるバックアップの枠を超え、AI・自動化・SIEM/SOAR連携による“攻めのデータレジリエンス”を実現します。多層防御、異常検知、復旧の自動化までを一元管理することで、企業のデータ資産を守り抜くことができます。最新の脅威動向や業界連携を取り入れたい方は、ぜひVeeamの導入・活用をご検討ください。