Veeam Data Platform(VDP)はバージョンv12.2/v12.3のリリースにより、企業のデータレジリエンスとセキュリティ対策を一段と強化しました。本記事では、最新アップデートのポイントや、現代の企業が直面するデータ保護課題、そしてVeeamがどのようにそれらを解決するのかを解説します。
企業が直面するデータ保護の複雑化
データは企業活動の生命線ですが、クラウド化の進展、エンドポイントの多様化、データ量の爆発的増加により、管理は年々複雑化。ベンダーロックインやランサムウェア攻撃といった新たな脅威への対応も不可欠です。Veeamはこれらの課題を踏まえ、引き続き幅広いワークロード対応とデータの自由な移動(データフリーダム)を強化しています。
v12.2/v12.3の注目新機能
1. Nutanix AHVとの連携強化
Nutanix Prism Central統合により、カテゴリーを利用したポリシーベースの自動バックアップや、複数クラスターの一元管理が可能に。さらに、バックアップのカスタマイズ性向上やセカンダリコピーからのバックアップ対応で運用負荷を軽減します。
2. Proxmox VEサポート
Proxmox VEへのエージェントレスバックアップに対応。クロスプラットフォームでのリストア、クラウドや他仮想基盤へのデータ移行も容易になりました。双方向データポータビリティも大きな特徴です。
3. MongoDB対応
NoSQLデータベースMongoDBを新規でサポート。プロテクショングループ管理や直感的なリストア、バックアップ先としてオブジェクトストレージなどの多様なストレージに対応し、モダンなDB運用を強力に支援します。
4. Microsoft Entra IDのバックアップ
ID管理の中核・Entra IDのデータ保護がついに実現。専用エクスプローラーでの差分比較やサインイン/監査ログのバックアップも可能。コンプライアンス対策にも有効です。
セキュリティ&サイバーレジリエンスの強化
Veeam Data Platformは、インシデントAPI、インラインマルウェア検知(AI/MLエンジン)、イミュータブルバックアップ、IOCツール検知(新機能)、Veeam Threat Hunter(独自シグネチャスキャン)といった多層防御を実装。サードパーティ連携(Palo Alto Networks、Splunk等)も拡充され、セキュリティ運用の自動化と高度化を支援します。
また、Veeam Recovery OrchestratorやRecon Scanner(プロアクティブ脅威検出)など、Premium Edition限定の高度なサイバー攻撃対応機能も登場。Veeam Cyber Secureプログラムによるインシデント発生前から復旧後までの包括的サポートも注目です。
AI活用とユーザビリティの進化
Veeam Intelligence(AIアシスタント)が、自然言語による自社データの状況把握や質疑応答をサポート。運用効率や分析精度が大きく向上しています。
新しいクラウドバックアップサービス「Veeam Vault v2」
Veeam Vault v2は、固定月額制で予測しやすいクラウドストレージを提供。従量課金型にありがちな“ビルショック”を回避し、コスト管理を容易にします。BaaS/SaaSの導入も簡単です。
Veeam Data Platform エディションの違い
- Foundation Edition:ゼロトラスト・イミュータブルバックアップなど基礎となるデータ保護
- Advanced Edition:IOCスキャンやThreat Hunter、豊富なサードパーティ連携
- Premium Edition:リカバリーオーケストレーション、Recon Scanner等、最高レベルのサイバーレジリエンス
まとめ
Veeam Data Platformの最新アップデートは、データ保護の未来を体現しています。多様化するワークロード、増大するセキュリティリスクに柔軟かつ強固に対応し、企業のビジネス継続性を下支えします。ぜひ、新機能の体験・導入をご検討ください。