Veeamを使用してレプリケーション トラフィックを最適化する方法

私は最近、Veeam を使用して VMware VM のレプリケーションを開始するといかに簡単であるか、それによって RTPO (目標復旧時間と目標復旧時点) を最適化できることについて、ブログを掲載しました。今回は、レプリケーションによりネットワークに大きな負荷がかかるという問題をいかにして克服するかについて説明したいと思います。また、使用可能な帯域幅に制限がある場合に、Veeam Backup & Replication v8を使用して WAN 上のレプリケーション トラフィックを削減する方法についても説明したいと思います。

レプリケートはオンサイトか、オフサイトか

必要な vSphere のレプリケーション シナリオは、ビジネス目標によって決定されます。オンサイトでのレプリケーション は高可用性シナリオで、レプリカが同じサイトに保存されます。オフサイトのシナリオは、データのコピーをリモート サイトに保持することにより、本番サイトで問題が発生した場合に重要なデータを保護します。技術上、サイトは、ソース ホストとターゲット ホストの場所によって異なります。オンサイトでのレプリケーションの場合は、ソースとターゲットの両方の ESXi ホストは、同じサイトに配置され、LAN を介して接続される必要があります。オフサイトでのレプリケーションの場合は、1 つ以上の ESXi ホストがオフプレミスで展開され、WAN を介して本番環境のソース ホストに接続されます。

レプリケーションに必要な帯域幅

VMware VM のリモート レプリケーションに要する時間は、まったく同じ VM のバックアップ コピー プロセスに要する時間よりも長くなります。この追加のオーバーヘッドの一因は、レプリケートされた vSphere VM を作成するために VMware data protection の API が使用されることにあります。WAN (または低速の LAN) を介したレプリケーションは、増分のみを転送する場合でも、数時間かかることがあります (1 日に数ギガバイトの変更が行われる非常に大きな Exchange サーバーを想像してみてください)。

vSphere VM をレプリケートするには、どのくらいの帯域幅であれば十分なのかを質問されることがあるかもしれません。求められる帯域幅は、VM、データ量、レイテンシー、レプリケーション可能な時間帯など、複数の要因に依存します。以下に、必要な接続速度を見積もるための基本的なルールを示します。

必要な WAN/LAN (MB) = ([1日の変更量の合計 (MB) / レプリケーション ウィンドウ (時間)] / 3600) × 8

ここでは、Veeam Backup & Replication が、複数のトラフィック最適化オプションを使用してプロセスを高速化することを考慮していないので、この値は実際よりも大きくなることに注意してください。これは、増分のみを処理することで得られる短縮時間の合計になります。

バックアップをソースとして使用

レプリカをバックアップの代わりに使用することはできません。レプリカは、大きな障害が発生したときに重要なデータを保護し、可能な限り最善の SLA を達成するための手段の一つにすぎません。Tier-1 のアプリケーションを最大限に保護するには、両方のオプションを利用する必要があります。すでに VM のバックアップと関連する増分バックアップがある場合、それをリモート レプリカのソースとして使わない手はありません。そうすれば、本番環境でレプリケーションによって生じる負荷を取り除くことができます。これは、最新の Veeam Backup & Replication v8 に導入されているレプリケーションの拡張機能の 1 つです。

バックアップからリモート レプリカを作成する場合、何もしなくてもきちんと機能します。Veeam を使用すると常にそうであるように、このプロセスは自動的に実行されます。定期的なレプリケーション ジョブを除いて、この作業のために特別なジョブを実行する必要はありません。ここで唯一ポイントとなるのは、本番環境の稼働中の VM を指定する代わりに、必要な VM バックアップを含むバックアップ リポジトリをデータ ソースとして指定しなければならないという点です。Veeam Backup & Replication は、リポジトリ上のバックアップ チェーンの最新の復元ポイントからすべてのデータを取得して、新しいレプリカ復元ポイントを作成した後、本番ワークロードからレプリケーション トラフィックをオフロードします。こうすることで、特に、通常オフサイトで VM をレプリケートするのに時間がかかる場合、稼働中の VM に対する大量の読み取り I/O (vStorage APIs for Data Protection (VADP) からのスナップショット プロセスを含む) も節約できます。

Backup as a source

レプリカ シーディングによるレプリケーション トラフィックの削減

レプリカ シーディングは、初回のレプリケーション データを削減するのに役立ちます。レプリカ シーディングでも、VM のバックアップをレプリカ シードとして使用するので、基本となるメカニズムは、バックアップからのリモート レプリカと非常によく似ています。ただし、レプリカ シーディングの場合、バックアップ ファイルが使用されるのは、初回のレプリケーション ジョブだけです。2回目以降のレプリケーション ジョブでは、VM レプリカの復旧ポイントを作成するために、本番環境の VM からデータを取得します。

VMware VM をターゲット ホストにレプリケートまたはコピーして、VMware VM のシーディング バックアップを準備する必要があります。バックアップ コピーは、グローバルな重複排除、データブロックの検証およびトラフィックの圧縮機能を持つ WAN アクセラレーションをサポートするので、パフォーマンスが向上します。レプリカ シーディングを実行する場合、Veeam Backup & Replication は、バックアップから復元されたデータの状態と本番 VM を同期させ、変更されたデータのみをレプリケートします。
Replica seeding

レプリカ マッピングによるレプリケーション トラフィックの最適化

帯域の使用量を最適化するもう 1 つの方法は、レプリカ マッピングです。この機能では、本番 VM を、DR (災害復旧) サイトに既に存在する代替となる VM にマッピングします。これは、たとえば、既存のレプリカを新しいホストやストレージに再配置したときなど、レプリケーション ジョブを再構成または再作成する必要がある場合に役立ちます。共有の WAN/LAN 接続を使用している場合は、レプリケーション ジョブが VMware 環境で利用可能な全帯域幅を使い果たすのを防ぐために、ネットワーク スロットリングのルールを適用することをお勧めします。

Replcia mapping

構成に関する問題の解決

ネットワーク設定が異なるサブネット間で VMware VM をレプリケートすると、構成について何らかの問題が発生することがあります。デフォルトでは、Veeam Backup & Replication は、オリジナルの VM とそのレプリカは同じネットワーク構成となります。DR のネットワークと本番環境のネットワークは必ずしも一致する必要ななく、それは問題にはなりません。ネットワーク マッピングのカスタム ルールを設定するだけで済みます。Veeam Backup & Replication のもう 1 つの優れた点は、Windows ベースのレプリケートされた VM に対して IP アドレスを割り当てる再設定機能です。

Replica Re-IP

このブログ記事について、コメントをお寄せください。また、VMware のレプリケーションに Veeam Backup & Replication を使用することで得られるトラフィック最適化の結果もぜひお知らせください。

この Veeam ブログでは最新の情報をお届けしていますので、ぜひご覧ください。私の次の記事では、Veeam を使用した、レプリカのフェイルオーバーとフェイルバックの実行など、より最新のトピックを取り上げます。

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